DESTINY 鎌倉ものがたりを観た

2017年、映画館に行って観た日本映画(アニメ・ドキュメンタリーを除く)は民生ボーイだけだった。そんな私にとってこの映画は「とても良かった」と思う。 

 

私は、山崎貴監督作品を見たことがない。三丁目の夕日も、永遠の0も、CGのドラえもんも、予告やテレビ番組で流される映像でしか見たことがない。山崎貴ワールド初体験が、『DESTINY 鎌倉ものがたり』だった。

 

良かったと思った点は3つある。

先ずは、半沢直樹以降そのイメージがなかなか崩れなかった堺雅人を普通に見ることができた、という点。「変人」がとてもよく似合う役者さんだとは思っていたけれど、本当に似合うなあと。高畑充希の奥さんも可愛らしかった。

次に、伏線回収があった。置物とか掛け軸とか、「のちのちに天燈鬼と闘うのだ」ということを示唆するものが出てきて、最終的に解消された。私は、黄泉の市で亜紀子が手にとったお盆の模様も気になった。伏線として描かれたものをそのままにせず回収していったのは、当たり前なのかもしれないが、良かったと思う。

最後に、死神だ。私は、安藤サクラの演技が好きだ。それを見に映画館に行ったと言っても過言ではないくらいに。個人的には、好きな死神だった。

 

黄泉の国へ行くタンコロや他のシーンでもCGが多く使われているという前情報を頭に入れて、映画館に足を運んだ。カエルの頭はCGだろうか。だとしたら堤真一の顔のまま、そのまま怒りを表現したりしょげたりしていたのか。そう撮影現場を想像するとそれだけで楽しい。

 

良かった点もあるが疑問に思う点もいくつかある。思いつくままに挙げてみると、先ず「キンは何者なのか」という点だ。半魔物なのだろうか。不思議な存在である。次に幽霊申請はどのような仕組みになっているのだろうか。また本田さんの家庭はその後どうなったのだろう。私はムロツヨシに胡散臭さを感じてしまうのだが騙されていないのだろうか。亜紀子の身体を借りた魂のいた家庭はその後どうなったのだろう。子供まで一緒に「ごめんなさい」と謝っていたのが印象強く残っている。

まあ、こうやってあれこれ考えたりできる作品だ。楽しかった。民生ボーイが私に合わなかったため、とても楽しかった。

 

Twitterにて監督が良い感想ツイートをリツイートしている。それを見るたびに「本当に良い映画なのかい?」と思っていたけれど、今なら言える。「監督! 良かったですよ!」と。5本の指には入らないけれど、ね。

 

そういえば、亜紀子が幽体離脱状態になったことに途中まで気がつかなかった自分がいる。それまでは結婚指輪を落としたのだと思っていた。まだまだ経験が足りないのだな。